【驚愕】ついに出会えた、LINEのID検索で!?10
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僕「人間の本質は変わらない、、じゃあまなちゃんはきれいになったけど、心は、太ってて可愛くなかった頃のままってこと?」
まな「そうだよ。可愛くなれたからイケメンの彼氏と付き合えたけど、結局自信がないんだよね。今まで可愛いって言われる機会なかったし、本当にそう思ってるのかなとか、もっと可愛い子はたくさんいるしとか。自分でもなんでこんなめんどくさいのかなって思うけど、頭でわかってても止められないの。」
「整形前の写真見る?」
僕「え、このタイミングで?笑 うん、見たい。」
彼女は「あるかなー、もう何年も前だからデータ消えてるかも」と、自分から言い出したのにも関わらず、見せるのをためらうような億劫な態度でスマートフォンをスクロールしている。
「あ、あった!」と嬉々として見つけたその写真を僕に「ほら、全然違うでしょ笑」と見せつける。
そこに映っていたのは笑顔で細い糸目をさらに細くした豚鼻の14歳の少女だった。
たしかに太っていて、今の彼女とは別人だ。どう見ても何回見てもイメージが違いすぎる。
「ほら、こうやってやるとビフォーアフターがわかりやすいよ」と整形前の14歳の写真と整形後の美女の写真を交互にスワイプするという、彼女にしかできない遊びを披露してくる。
僕「いい持ちネタあるね笑」
まな「整形者の特権ですから笑。」
僕「なんだろ、おれ今までの人生で出会ったことない子だからめっちゃ常識を覆されてるよ笑」
まな「でしょうね笑。経験人数を増やしたいってのも、こうして裸を見せる機会を作ることで、きれいな体をキープしたいって思いもあるからやってるのよ。」
「実際セックスあんまり好きじゃないし笑」
僕「え!好きじゃないんだ!?てっきりよほど好きなのかと、、笑」
まな「んなわけないでしょww女の子で誰彼構わずヤリたいなんて子そうそういないよ笑」
「でもやっぱり好きな人とはしたいって思うかなあ」
僕「そーなんだ。やっぱり好きな彼氏じゃないとそういう感情にならないもんなんだね。だからいい女になって元カレとまた復縁したいなって思うんだ?」
まな「復縁はしなくていいかな。好きだったけど、クズってわかってるし」
僕「じゃあなんでこの”経験人数増キャンペーン”を続けてるの?さっき言った、きれいな身体でいたいってだけ?」
まな「うーん、そうだね。手段を追求しすぎて目的を見失った典型的なパターンかな笑」
僕「なんだそれ笑 じゃあもうだれか好きな人見つけて、好き合ってその人とセックスすればよくない?」
まな「うん、一応、それもこの”経験人数キャンペーン”の目的の一つなんだけどね。なかなか見つからなくて。」
僕「どんな人がタイプなの?たとえば、おれとかはあり?」
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どこを整形したのか、どういう理由で整形したのか、いつ整形したのか、聞きたいことは山ほどあったが、彼女が順番に話してくれた。
まな「実は中学生のころめっちゃブスでさ、しかも太ってて。クラスの可愛い子見てうらやましいなーってずっと思ってたんだよね。」
「それでいじめじゃないけど、男子からブスとかひどいこと言われることもあったりして。」
「でもそんな私でも好きって告白してくれる男の子もいたんだ。すごいよね?笑私が男だったら絶対付き合いたくないもん笑。」
「で付き合ったけど、全然好きになれなかったんだよね。ブスの私が言うのもなんだけど、その男の子全然かっこよくなくて、笑あー私って彼氏ができたとしても、一生このレベルの男しか付き合えないんだって。」
僕「え、ひどくない?笑」
まな「わかってる笑。しかもブスのお前が言うなってね笑。 でも、本能だもん、好きになるって。好きと嫌いだけは理性で決められないんだよ。だから、お母さんに言ったの。”整形させてください”って」
僕「え、中3で?お母さん何て?」
まな「”わかった。いいよ。可愛く産んであげられなくてごめんね”ってよく理解してくれたよね笑。娘の私でもいいお母さんだなって思う。」
僕「まじか!笑 いいお母さんではある。。それで整形してどう変わった?」
まな「整形したのは目と鼻だけだから20万いかないくらい。でもダイエットは頑張ったよ笑。それで高校1年からは周りの男子からの扱いが変わったね。やっぱり外見って大事なんだなって。きっとデブでブスのままの私だったら、まったく違う高校生活だったと思う。」
「で、それなりに可愛くなったから彼氏もできて楽しかったんだけど、やっぱり上には上がいるんだよね。最初から、生まれた瞬間から可愛い子って、全然オーラとか自身が違うわけ。デブスだったころは”彼女たち”って遠すぎる存在で気づかなかったけど、ある程度近づくとわかるの。あ、生まれ持ったものが違うなって。それは外見の美しさもそうだけど、やっぱり自信が一番違う。私はここにいるのよ的な。わかる?」
僕「うん、なんとなくね。おれも目立たないほうだったからイケてる男子たちを遠くから見てきたけど、いい意味でも悪い意味でも”許される存在”って自分で理解しているから、積極的に行動できたりするんだと思う。しかもそれが女子の世界になるとより顕著だろうね。」
まな「そう。”許される存在”って思えるのって育った環境に依存すると思ってて、やっぱり可愛い子供には何かしてあげたいじゃない?大人の本能として」
「だから彼女たちはとても生き生きしてた。私がお金と努力で手にした美を生まれた瞬間持ってるんだから笑。」
僕「世の中って理不尽だよな。。笑でもそのおかげでイケメンの彼氏と付き合えたんでしょ?」
彼女は寂しげに遠くを見つめた。
まな「でもね、人間の本質って変わらないの。」
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僕もシャワーを軽く入るつもりが、間違えて頭まで洗ってしまい、彼女に笑われた。
どうやらラブホテルでシャワーに入るとき洗うのは、体だけでいいらしい。
二人でベッドに横たわる。
僕「元カレのこと、忘れられない?」
まな「そりゃ簡単にはね。大好きだったし。でもホストだったから、将来性はなかったかな笑。」
僕「ホストだったんだ!そりゃモテるよ!やっぱりモテる男に惚れられたいもん?」
まな「いやーそういうわけでもないんだけどね。自分が好きになったら、その人がモテるかどうかなんて関係ないよ。」
僕「でも、モテない男は最初から眼中に入ってないじゃん?笑」
まな「んー、そうかも笑。」
僕「女って残酷だな笑。」
会話が途切れたので、軽くキスをする。
少し薄い唇は思ったより柔らかく、優しい香りがした。
女性は頭を撫でられるのが好きという情報を入手していた僕は、
キスをしながら彼女の髪を優しく、ゆっくりと撫でてあげた。
軽く頬を触ろうと手を下に移動させると、
まな「眉毛は触らないでね。消えちゃうから。」
と切実なアドバイスを頂戴したので、顔の上半分には極力触れぬよう注意をして、首筋へと進んでいく。
彼女の肌は白い。そしてきめ細やかにすべすべだ。
これは動画の中では味わえない、貴重な感触だ。
胸や下半身に手を進めていく。
彼女は人形のように抵抗なく、ときには吐息を交えて僕を受け入れてくれる。
彼女の中は、率直に言うと、今までで一番気持ちよかった。
そう思えた子は、彼女が初めてだった。
これが僕の、ある意味では本当の、童貞卒業だったのかもしれない。
行為が終わってからたくさん話をした。
今回初めてセックスで気持ちいいと思ったこと。
彼女の肌、身体はきれいでまるでAV女優のそれ以上だと。
彼女は「大げさだよ」と笑っていたが、きっと喜んでいたように思う。
やはり、誰かに褒めてもらえるのは、嬉しい。
人間の本能だ。
”こうやって大切な人の承認欲求を満たすことって幸せなんだ”
ってそのときふと思った。
最も僕たちは出会って間もない関係だけど。
出会い方なんてどうでもよくて、そこから二人がどうやって関係を築いていくかのほうが、よっぽど大切だよなって思ったりもした。
まな「私整形したんだよね」
余韻に浸っていたぼくは彼女の声で我に返った。
僕「え、整形?」
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僕はこれまで、セックスを気持ちいいと思ったことがなかった。
一人でするほうが気持ちいい、と言ったほうが的確か。
童貞を卒業したのは、2年前くらいで、それから何度か経験しているが、
マスターベーションを超える快感は、まだない。
よく、中高生のころはセックスに憧れしか抱いてなく、
「どんなものなんだろう」
「女性の身体はどんなに素敵なんだろう」
などとあらぬ妄想で時間を最大限有意義に過ごしてきたわけだが、
いざ、目の前にエサを与えられると、
「自分が本当にほしかったのは果たしてこれなのだろうか」
と謎の哲学的迷路に入り込んでしまって、行為自体に集中できないことが多かった。
まあ、女性自体も人間なのだから、いくら可愛く見繕ったって、糞はするし、おならも出るし、ムダ毛も生えるし、便秘のときは息が臭くなる。そういった現実を、まだ鼻たれ小僧の僕は、受け入れることができていないのかもしれない。
これは全責任を押し付けるわけではないが、アダルト動画の身近さとそのクオリティの高さに起因していると思う。女性に高い金を払ってエスコートせずとも、無料で、今の自分の欲に最適な顔、スタイル、シチュエーションの女性を取捨選択でき、言い方を変えれば、そこは自分の独裁国家となる。男にとって、そんな居心地のいい場所は他にない。
女性から振られることも、拒否されることも、キモイと言われることもない。ノーリスクハイリターンの投資である。そんなオアシスに約7年以上も安住していた僕だ。現実の女性の良さがわかるわけない。
「タダが一番高い」と言われるが、無料できれいな女性の裸にアクセスできるような環境のせいで、本来喜びを感じるはずの生身の女性に興奮できない。
童貞のころは気づかなかったが、これは、大きなリスクである。
なぜなら、人類滅亡まであるから。
だから、僕は今日、ちゃんと”彼女の身体に興奮する”、という裏テーマがあった。
本来の”生身の人間”へと生まれ変わるチャンスだという意気込みで。
まな「タオルある?」
浴室から湯気と共に女の子の声が響いてくる。
僕「あるよ。ちょっと待って」
洗面台の下にある、白いふかふかのバスタオルを持って浴室のドアを開ける。
まな「きゃっ!見ないで!」
タオルを勢いよく取られた僕は、浴室のドアをバタンと閉められ、立ち尽くしていた。
なんというか、ドラマでよくあるシーンだと思いながら、
やっぱり裸を見られるのは恥ずかしいよな、なんて当たり前のことを、彼女を通して確認する。
1人で大きなダブルベッドに腰かけた。
これから僕は、”生身の彼女”とセックスする。
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池袋東口。渋谷、新宿と並んで若者が集う3大都市の1つだ。
西口にはマルイ、芸術劇場や立教大学。東口にはサンシャイン、PARCO、風俗店、ラブホテル。。
(なんでこんな性に乱れてるんだ!この街は!)
時刻は19時。待ち合わせのラブホテルへ向かう最中、冬の足音がする季節に、キラキラした看板が、これからの僕の行方を祝福してくれているようだ。
普段池袋に行くときはサンシャイン通りで大抵事足りるので、ホテル街の裏路地の地理には詳しくない。
たまにすれ違うキャッチのお兄さんの視線を華麗にスルーしつつ、Googleマップが指すその赤いポイントとの距離を徐々に縮めていく。
ここで、ある大事なことに気がついた。彼女に僕の写真を見せていない。そして、彼女の顔も見ていない。だからお互いわからないじゃないか。
また、もしラブホテルが混んでいて待ち合い室でポツンと1人僕が座っていたら、どう思われるだろう。デリヘルを呼んだ若者か、部屋を予約していたが彼女と喧嘩して一人で来たのか。どちらにせよ、同情の目で見られること必至だ。一人の時間を最小限に抑えるため、待ち合わせの時間ぎりぎりにホテルに入ることを心に決めた。
19:28、、、
19:29、、、
19:30!!!
待ち合わせの時間になって、いざ、高鳴る鼓動を抑えつつラブホテルの前に立ち、自動ドアが開いた。
右手には奇麗な薔薇の花が刺してあり、その前にはドリンクが入った透明の冷蔵庫がある。
左手にはすぐ受付があり、その奥に部屋を選択するパネルが並んでいた。
「!!!」
奥の待合室みたいなスぺ―スの一番左のイスに可憐な女性が座っていた。
黒く長い髪は、艶があり先端が軽くカールしている。
こちらに気づいた瞳は黒目が大きく、系統的にはperfumeのかしゆかに似ているなと思った。
僕「あの、、」
まな「どうも、はじめまして。まなです。イメージと違いました?笑」
僕「いや、全然!素敵だなと思って。むしろおれのほうがイメージと違うでしょ?」
まな「全然!さわやかな好青年って感じ。笑」
まなはLINEの文面から想像したとおり、よく微笑む子だった。
おかげで女性慣れしていない僕も、そこまで緊張せず、フランクに接することができたと思う。
フロントで慣れない手続きを済ませた後、501の部屋へ向かった。
部屋につくと、そこでお会計をするシステムで、1泊12000円という値段に驚く僕の表情に気づいたのだろう。彼女は5000円出してくれた。情けないとは分かりつつも、ありがたく受け取る僕。この世においてセックスは、相場が高いものだ。
まな「広い部屋だね!」
僕「だよね。まさか12000の部屋に入るとは思わなかった。笑」
まな「普通一泊したらそのくらいするもんだよ。もっといい部屋は2万とか4万とかするんだから。」
僕「そーなんだ。。世知辛いね。笑」
まな「シャワー先入っていい?」
僕「いいよ」
彼女が浴室にいる間、部屋をぐるっと眺めてみた。大きいダブルベッドに、巨大なスクリーン。世のカップルたちは、週末をここで過ごし、愛を深め合っているのか。愛の維持にはお金がかかるものだ。
今日セックスするのか。何か月ぶりだろう。
正直僕は、セックスについて本能的には好きだけれど、”絶対になくてはならないもの”という認識はない。
なぜなら、その行為を「気持ちいい」とは思わないからだ。
【驚愕】ついに出会えた、LINEのID検索で!?5
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「経験人数を増やしたいんです。自分に自信が持てなくて。」
僕はこの子に出会ってから常識というものを覆されている。
知らない人からLINEのトークが来て、返信する子がいる。
そしてその人と電話で話して会おうとする気持ちがある。
さらに初回のデート場所をラブホテルと提案してくる。(美人局なら納得)
どうしたことか経験人数を増やしたいらしい。(ナンパ師のやりチンなら納得)
しかし、どう見たってLINEのアイコン画像の後ろ姿は女の子だし、電話で話した声だって可憐な可愛い声だった。
それがなぜ、経験人数につながるのか。
まったく理解できない。
僕「経験人数を増やす?それは美人局だからお金がほしいだけじゃなくて?」
まな「違いますよ笑。美人局じゃないって信じてください笑」
曲がりなりにも21年生きてきて、信じる素直さだけは僕の魅力だと自負していた。
返信速度や冗談ぽい感じも信じてよさそうだ。直感的にそう判断した。
でも、だとしたら何か別の理由が。
僕「じゃあなんで経験人数を増やしたいの?そこらへんのチャラい男ならまだしも、女の子でそういう感じの子初めてで理由を知りたいんだ。」
まな「そうだよね笑。私も自分以外でそんな子見たことない笑。自分に自信が持てなくって。実は元カレに振られたんです。」
僕「そうなんだ。自信がなくて元カレに振られたのか、元カレに振られたから自信がなくなったのか、どっちかわからないけど、なんでそれが経験人数を増やしたいになる?」
まな「元カレを見返したいんです。すごくモテる元カレで、イケメンだし女友達もたくさんいて、たぶん私の他にも何人かキープしてる子いたっぽいし。」
ぼく「そっか、それはつらいね。。」
まな「うん。別れるときもほんとは引き留めてほしかったのに、あっさり”わかった”ってもう次にあてがあったんだと思う。だからもっといい女になって、見返そうって。」
「正直、元カレがほぼ初めての彼氏で愛情のもっていき方というか、コントロールの仕方がよくわかってなくて、重くなっちゃってたんだと思うの。だから女を磨いてもっと魅力的な女性になっていきたいなって。」
思っていたよりもまともな理由というか、ほんとに女心を象徴するような理由で(自分自身は女心わからないけど)変に納得できた。しかもなんだか、アイドルとファンの関係じゃないけど、応援したいなって感情が芽生えてきてる自分に驚いた。
僕「それで経験人数を増やせば、女性として魅力が出ると思ったんだ?」
まな「うん。周りの友達にはとても言えないけどね笑今日はじめて誰かに打ち明けたかも笑。会ってくれる?」
僕「正直美人局はもう疑ってない。そして話を聞いてとてもまなちゃんの存在自体に興味を持ってる自分がいる。だから、一回会ってみたい。」
まな「じゃあよろしくね(*^^*)」
こうして僕たちは”初デート”をすることになった。
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「ラブホテル。。」
授業中にも関わらず、つい声が出てしまい、前の列に座っている女子2人からちょっと睨まれた。
(え、いきなり?!この子どういう目的だよ!でも、ここは男として嬉しいという感情は否めない。。)
スマホで「ホテル いきなり」と検索した。「明日泊まれるビジネスホテル」、「初回限定割引クーポン アパホテルがお得」、などと検索結果が表示されたが、どれも違う。今回は女の子との初回のデートで”ラブホテル”に行くのだから。
そこであるワードが頭をよぎった。
「美人局」
夫(や情夫)としめし合わせた女が、他の男と通ずるかに振る舞い、それを言い掛かりとして夫(や情夫)がその男をおどし、金銭などを巻き上げる、ゆすり。
これか。この金のない大学生から少しでも金銭を取ろうってか。なんて悲しい時代になってしまったんだ。金だけならまだいいが、暴力団が出てきてぼこぼこに殴られるかもしれない。そして翌日のニュースで
アナウンサー「○月○日、池袋某所にて大学三年生の被害者Aが、何者かに殴られたうえに金銭も取られ重傷です。そしてなんと、その場所はラブホテルです。コメンテーターの△さんはこのニュースどうお考えですか?」
コメンテーター「そうですねえ。昔からこういう美人局みたいな事件はあるんですが、情報過多のこの時代にそんな単純な詐欺手法に引っかかる若者なんているんですねえ。よほど頭が悪いか、性欲が有り余っていたんでしょうね。」
アナウンサ―「苦笑 さて、続いてのニュースです。」
なんて恥ずかしいみじめな被害者になること必至だ!!完全に詐欺なのに同情されないなんて、そんなの被害者甲斐がないじゃないか!!(被害者甲斐ってなんだ笑)
よし、僕は詐欺には引っかからない。これから大学を卒業して、まっとうな会社に入って、まっとうな社会人としてこの日本で生きていくんだ。
そう決意して、なんとももったいないが、今回の奇跡的な出会いに自ら終止符を打つことにした。
まなにLINEを送る。
「ごめん、今週の金曜日だけど、ちょっと急用が入って行けなくなりそう。。本当に申し訳ない。」
僕は大きな獲物を逃した。リスクなしで手に入れた女の子をしかもハイリターンが目の前に見えていたにも関わらず、自らの手で絶ったのだ。これは一流の投資家でもそうそうできることではない。よし、将来は投資家になることも視野に、
♪LINE♪
........返信だ。怒っているかもしれない。そりゃそうだ。僕からLINEのID検索ではじまったやりとり。それをこちらからの一方的な都合で終わらせるんだから。
「お願いを聞いてもらえますか?」
予想とは違う返事で僕は戸惑った。怒られなかった、そして逆にお願いされる立場になっている。
続けてこう書いてあった。
「経験人数を増やしたいんです。」
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(知らない人ともヤッたりする!?)
僕は彼女が言った言葉について繰り返して噛み砕き、なんとか飲み込んだ。
僕「それはどういう理由で?」
まな「んー、理由はないかなー。ただ、求められるのは嬉しいかな」
僕「え、じゃあたとえば今おれが誘った場合、どうなるの?」
まな「別に空いてる日だったらいいよー」
こんな感じでまなは来るもの拒まずという毅然とした態度で、僕のことを受け入れてくれて電話は終わった。
デートをするにしても、どこで待ち合わせしてどこに連れていったらいいかまったく分からない。童貞率90%配合の僕にはデートプランなんてどうにも思いつかなかった。
(どうせなら、相手に直接聞いてしまえ!)
投げやりになった僕は、大学の授業中わけのわからない話を長々と語る教授の目を盗んで、まなにLINEを送った。
僕「今週の金曜日会う話だけど、場所はどこがいい?」
今思うとなんと優柔不断な男だろう。エスコートもへったくれもない。そんなぼくにまなは思わぬ角度から助け船を出してくれた。
♪LINE♪
......返信が来た。
まな「じゃあここのURLで待ち合わせしよっか(^^」
そこには何やら長々しいURLが貼られていた。
(なんて決断力がある子だ。いや、そこらへんの男よりもエスコートが上手いから、さては相当なビッチか)
なんていかがわしい妄想を繰り広げていると、
クリックしたURLからあるおしゃれでスタイリッシュなWebページへジャンプした。
.......僕は絶句した。
そこは池袋東口に位置する、
とあるラブホテルだったからだ。
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「だれですか?」
ってそりゃそうだ。知らない相手からいきなりLINEが来るなんて恐怖以外の何物でもない。でもよく返信してくれたな。運が良すぎる。たいてい駆け引きなど女性心理テクニックをマスターしていないと既読無視、既読スルーで一喜一憂するのがあるあるだろう。まあ絵文字もスタンプもないそっけない一言だけど。逆に僕のほうが君のLINEの返信速度に恐怖を感じているよと気持ちを落ち着かせた。
「LINEのID検索で知り合いのID検索してたら間違えてしまって笑よかったらこれも何かの縁だし仲良くしたいです!(可愛いスタンプ)だめですか?」
「いいよー」
そっけない返事だが、奇跡的に断られることはなかった。既読無視、既読スルーにならず、タイミングや運がよかっただけか。いま考えたら少し変わった子だったのかもしれない。
こうして無事LINEのやりとりに移行することができた。
当時まだ21の僕は恋愛経験も多くなく、彼女はいたことはあったけど短い恋で、どう女性と距離を詰めていいかテンプレートがわかってなかった。恋愛 LINE 落とす 押し引き 駆け引きなどで検索してみても最初に質問したり誘うのは男の方と書いてあって、盛り上がる会話をしてブロックされることなく、脈ありにもっていきたい。
対面だったらおどおどしてしまうけど、なんとかLINEだったら心地よい返信頻度とタイミングで会話を続けることができた。片思いの乙女かおれは。一喜一憂する必要はない。
そしてきっかけをつかんで、いよいよ電話をすることに。。
僕「もしもし」
まな「もしもーし。LINE楽しいね」
僕「実際喋るとおもしろくないかもよ笑」
まな「つまんなかったら電話切るね笑」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
まなは大人しそうな話し方だけど、どこか達観していて男に対して諦めていて何も期待していないような印象を感じた。
恋愛経験について聞いてみると驚きの答えが帰ってきた。
「私知らない人とも全然ヤッたりするよ?」
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僕が大学三年生で、ちょうど就活中だった頃、君とはSNS(LINE)を通じて知り合った。
暇を持て余していた僕は、当時はやっていた“ひまチャット”みたいな出合い掲示板で、めんどくさいと思いながら可愛い子と出会えないかなと模索していた。
でも無料登録しやりとりできるそのアプリは、安かろう悪かろうを体現していて、出会いにつながることはもちろんメッセージの返信速度は遅いし未読無視、既読無視があるあるでやりとりに一喜一憂していた。駆け引きや話題、頻度をどうしようなんて悩むよりも前の段階の、つまりテクニック不足だ。
「どんだけつまらないんだ!」と怒り気味にスカイブルーの背景のアプリに不平不満を言っていた僕。しかし、今考えればタダで簡単に出会えると信じているお前のほうがどうかしてるぞ、とアドバイスしてあげたい。
ひまチャットの構造として、アプリ内でやりとりして、ある程度したらLINEのIDを教えてもらってLINEへ移行するというのが一般的だった。(これは今のマッチングアプリも同様だろう)
そこで僕は考えた。
「待てよ、これってID検索でテキトーに入力すれば誰か当てはまるんじゃね?」と。非常に無謀な挑戦だったが僕は本気だった。しかし、今考えたら倫理上、またコンプライアンス上問題があるので決しておすすめはできない。
IDを打ち込むだけの日々をちょうど3日半続けていたそのとき、歴史は動いた。
なんとヒットしたのである。しかも“まな”と表示されたアイコンには明らかに女性と思われる後ろ姿の写真があった。背景もきれいなインスタ映えスポットだ。
おれは神か。と自分で自画自賛してLINEで一言を送ることにした。しかし、待てど暮らせど返信は返ってこない。。やっぱりそんな簡単なはずはなかったと方を落とす僕。
...という展開を想定していたみなさんには申し訳ないが、送信から1分でという速度で返信があった。
「だれですか?」